2026.11.06
遺産分割で困る前に考えたい「土地の出口」
「土地は財産だから、子どもに残しておけばいい」
そう考える方は多いと思います。
でも、土地を残すことだけを考えて、その土地を将来どうするのかまで決めていないケースは少なくありません。
私は土地の相続を考えるなら、「誰に渡すか」と同時に、その土地の出口まで考えておくことが大切だと思います。
■「土地を残す」がゴールになっていませんか?
預金なら、家族で分けるイメージは比較的しやすいでしょう。
ところが土地は違います。
例えば子どもが3人いたとします。
親としては、
「3人で仲良く決めてくれればいい」
と思うかもしれません。
ところが実際に土地を受け取る側には、それぞれの生活があります。
地元に住んでいる人。
遠方に住んでいる人。
土地を残したい人。
土地を必要としていない人。
同じ家族でも、土地に対する考え方が同じとは限りません。
もう一つ難しいのが、気持ちの問題です。
子どもからすると、
「お父さんが大切にしていた土地だから……」
「お母さんは残してほしかったのかな……」
と考えてしまうことがあります。
親が何も伝えないまま土地だけを残すと、
子どもたちは土地の価値だけではなく、親の気持ちまで想像しながら判断することになります。
これが意外と大きな負担になります。
■だから「出口」を話しておく
ここでいう土地の出口とは、難しい話ではありません。
「この土地は将来どうしたい?」
ということです。
自分で使い続ける。
家族が使う。
誰かに活用してもらう。
必要としている人へ引き継ぐ。
土地を整理して、別の形で家族に残す。
大切なのは、どれが正解かではありません。
選択肢を家族が知っていることです。
■「売るか残すか」だけで考えない
土地の出口というと、すぐに
「売却する話?」
と思われるかもしれません。
そうではありません。
まず考えたいのは、
この土地は、これから家族にとってどんな存在になるのか。
ということです。
使う土地なら残す意味があります。
大切にしたい土地なら、その気持ちを子どもに伝えておく。
一方で、誰も使う予定がなく、管理する人も決まっていないなら、その状態をこの先も続けるのか一度考えてみる。
それだけでも十分です。
■ 家族会議は「相続が起きてから」では遅いかもしれない
相続が起きてから初めて、
「この土地どうする?」
と兄弟で話し合う。
それよりも、
親がいるうちに、
「この土地、将来どうしたらいいと思う?」
と話しておく方が、ずっと自然です。
親の考えも聞けます。
子どもの本音も聞けます。
そして何より、
土地について家族全員が初めて考える日を「相続の日」にしなくて済みます。
■土地の「入口」より「出口」を考える
土地を買うときは、
「何に使うか」
をよく考えます。
ところが相続では、
「誰に残すか」
ばかり考えてしまいます。
本当は、その先も大切です。
誰が使うのか。
誰が管理するのか。
そして、いつか使わなくなったらどうするのか。
土地は、残した瞬間に終わる財産ではありません。
次の人の暮らしの中でも続いていきます。
だからこそ、遺産分割で家族が悩む前に、
「この土地の出口をどうする?」
そんな話を一度、家族でしてみてはいかがでしょうか。