2026.10.16
あと10年、この農地を管理できますか?
農地を持っている方に、一度だけ考えていただきたいことがあります。
「この土地を、あと10年、自分で管理できますか?」
今年できるかどうかではありません。
5年後、10年後もできるか。
農地の将来を考えるとき、実はここがとても大切です。
今は自分で草を刈れる。
農地まで車で行ける。
何かあればすぐに見に行ける。
だから、
「まだ大丈夫」
と思ってしまいます。
でも10年という時間は、思っている以上に長いものです。
70歳の方なら80歳に。
75歳の方なら85歳になります。
土地は10年後も同じ場所にあります。
でも、管理する人の体力や生活は変わっていきます。
■農地の管理には「定年」がありません
仕事なら、退職する時期があります。
車なら、運転をやめる時期を考えることがあります。
ところが土地は、
「何歳になったら管理をやめる」
という区切りがありません。
そのため、
毎年なんとなく管理を続けてしまいます。
今年も草を刈る。
来年も草を刈る。
気づけば5年。
そして10年。
問題が起きていないうちは、それでもいいかもしれません。
しかし、ある日突然、
「もう自分ではできない」
という時が来る可能性があります。
■一番困るのは「できなくなってから考える」こと
体力が落ちてから。
車に乗れなくなってから。
遠くまで行くのが大変になってから。
そこで初めて、
「この農地、これからどうしよう」
と考え始める。
これでは、土地の問題と自分自身の問題を同時に考えなければなりません。
気持ちにも時間にも余裕がなくなります。
だから私は、
まだ自分で管理できている時こそ、土地の将来を考えるタイミングだと思います。
■「あと何年ならできるか」で考えてみる
「この農地を一生持つか?」
と聞かれると、答えるのは難しいものです。
そこで質問を変えてみます。
あと3年なら管理できそうですか?
あと5年ならどうでしょう?
あと10年なら?
こう考えると、自分と土地との付き合い方が少し具体的になります。
そして、
「自分が管理できなくなったら誰がやるのか」
も考えてみてください。
子どもでしょうか。
兄弟でしょうか。
誰かにお願いするのでしょうか。
もし、すぐに顔が浮かばないのであれば、
それは土地の将来を考え始めるサインかもしれません。
■土地より先に「自分の10年」を考える
農地について考えると、
「いくらになるのか」
「残した方がいいのか」
という土地の話から始めがちです。
でも、順番を逆にしてみてください。
10年後、自分はどんな暮らしをしていたいのか。
休日に草刈りへ行っているのか。
土地のことを気にしながら暮らしているのか。
それとも、
土地の管理から離れて、もっと自由に時間を使っているのか。
土地の将来は、自分の将来と一緒に考えるものです。
■元気な今だから、選べる
農地を持ち続けることが悪いわけではありません。
自分で使う。
家族が使う。
これからも大切に管理していく。
それも立派な選択です。
ただ、
「今まで持っていたから」
という理由だけで、これからの10年まで決めてしまう必要はありません。
今なら、家族と話すこともできます。
土地について調べることもできます。
これからどうするかを、ゆっくり考えることもできます。
選択肢があるうちに考える。
それが大切なのです。
最後に、少し想像してみてください。
10年後の自分が、今の自分に一言伝えられるとしたら、
何と言うでしょうか。
「残しておいてよかった。」
かもしれません。
それとも、
「元気なうちに考えておけばよかった。」
かもしれません。
農地の整理は、急いでする必要はありません。
でも、
考え始めることまで先延ばしにする必要もありません。
「あと10年、この農地を管理できますか?」
まずは、その問いから土地の将来を考えてみてはいかがでしょうか。