2026.07.10
現金で残すという選択肢
■ 土地を残すことだけが相続対策ではありません
相続の相談を受けていると、
「この土地は子どもに残したい」
というお話をよく聞きます。
もちろん、
それも大切な考え方です。
しかし不動産の現場では、
土地をそのまま残すことが、
必ずしも家族の幸せにつながるとは限りません。
むしろ、
現金で残した方が喜ばれるケース
も少なくありません。
■ 土地は平等に分けにくい
現金は、
分けるのが簡単です。
例えば、
3人の子どもがいれば、
3等分できます。
しかし土地は違います。
・面積が違う
・形が違う
・価値が違う
同じように分けることが難しい。
そのため、
「誰が相続するのか」
という問題が発生します。
不動産実務では、
相続トラブルの多くが、
この不公平感から始まります。
■ 相続人が土地を必要としていないケース
最近増えているのが、
子どもが地元に住んでいないケースです。
都市部で生活している。
別の仕事をしている。
農業や土地管理をする予定がない。
こうした状況では、
相続した土地が
「資産」
ではなく、
「管理しなければならないもの」
になることがあります。
固定資産税。
草刈り。
近隣対応。
将来の売却。
相続人にとっては、
負担になる場合もあります。
■ 現金は選択肢を残せる
現金の最大のメリットは、
自由度です。
教育資金にも使える。
住宅購入にも使える。
老後資金にも使える。
事業資金にも使える。
つまり、
相続人自身が
自由に使い道を決められる。
これは大きな価値です。
■ 「土地を残す」と「家族を守る」は違う
代々受け継いだ土地。
思い入れがあるのは当然です。
しかし、
本当に守りたいのは
土地でしょうか。
それとも、
家族でしょうか。
不動産のプロとして見ると、
ここを整理できる方ほど、
相続対策がうまくいく傾向があります。
■ 現金化は“売る”ではなく“変える”
土地を現金化する。
この言葉に抵抗を感じる方もいます。
しかし実際には、
資産の形を変えるだけです。
不動産という形から、
現金という形へ。
そしてその現金を、
次世代が活用する。
これも立派な資産承継です。
■ 次の世代が本当に欲しいものは何か
相続対策を考える時、
ぜひ一度考えてみてください。
子どもたちは、
その土地を本当に必要としているでしょうか。
管理できるでしょうか。
活用できるでしょうか。
もし答えが曖昧なら、
現金で残すという選択肢も
検討する価値があります。
土地を残すことが目的ではありません。
家族の未来を残すことが目的です。
その視点で考えると、
見えてくる答えが変わるかもしれません。